阿佐ヶ谷飲み屋さんまつり発起人 森口剛行さんに話を聞く

阿佐ヶ谷飲み屋さんまつり」は2011年から毎年春と秋の2回開催しているはしご酒イベントで、愛飲家だけでなく、阿佐ヶ谷初心者の方も楽しめます。コロナ禍で中止をしていましたが、昨年春、2年半ぶりに再開し、2023年5月には第20回を迎えます。「阿佐ヶ谷飲み屋さんまつり」の発起人であり実行委員長である森口剛行(たかゆき)さんにお話しを聞きました。

楽しいを共有したい!!

「阿佐ヶ谷飲み屋さんまつり」を開催したきっかけを教えてください。

森口:阿佐ヶ谷の飲み屋さんはお店自体がそれぞれ楽しんでいて、行くと楽しいんですけど、開けづらい扉を開けてきたやつが仲間!みたいな感覚で。お店側から「おいで、おいで」と迎える事が少なかったんです。でも、常連さんって放っておいたらいなくなる一方だし、新しいお客さんが来てくれたらお店側も嬉しいし楽しいので「楽しいからおいでよ」っていうのをやりたくて。それなら1店舗で頑張るより街全体で、北から南まで声をかけて【阿佐ヶ谷】って名前でやろう!と言ったのがはじまりです。

森口:もともと、みんな仲が良くて、普通に飲みに行ったりとか飲みに来てくれたりとか繋がりがあるお店に声をかけました。ヒマな時を見計らって、企画書を持ってカウンターに座って、それこそ飲みながら「こういうのやりたいんだけど」って話して回って、知ってる店50軒くらいに声かけて、やるっていってくれた40軒でスタートしました。1回やってみると、誘いやすくなって少しずつ参加店が増えていった感じですね。

コロナ禍でしばらく中止に、復活のきっかけは?

コロナ禍で1度止まった期間があった後、昨年(2021年5月)に再開されましが、再開時期のタイミングはどのようにして決めましたか?

森口:きっかけ?もう忘れましたね(笑)多分タイミングだった気がします。酷い時は営業できない時期もあって、その後少しずつ営業が再開して、何かが解除された時期だったかな。

20時以降も営業がOKになった、まん延防止等重点措置が解除された頃ですか?

森口:それでいろんなお店が営業を再開した頃ですね。

参加店舗数はコロナ禍前後で変わりましたか?

森口:2年空いたので、その間に新しい店が30軒くらい増えたんですよ。その新しいお店にお客さん側から「この街飲み屋さんまつりってあるからやってみなよ」みたいな感じで声をかけてくれていたので、お店側から聞いてきてくれ、「(飲み屋さんまつり)再開しますよ」って言ったら新しい店が30軒くらいきてくました。逆に参加していた店はちょっと様子見みたいな感じで減っちゃったんですけど、でもトータルの数では同じくらいですね。

お店の人やお客さんと話してみて!

初めて参加する方に向けての提案や楽しみ方はありますか?

森口:とりあえず1軒目はどこでもいいから入ってみて、お店の人に聞くのが一番いいかな、って思います。漠然とオススメどこですか?じゃなくて、こんなお店に行きたい。こんなものが食べたい(飲みたい)けど、オススメありますか?みたいに聞くと教えてくれる。
話すのをためらう人とか結構いるけど、おつまみ券の店名とかは、お店の人とコミュニケーションをとってほしくてヒントにしているので、せっかく行くなら、それをきっかけに話して、それなりの楽しみ方があることを知ってほしいかな。

お店の人にお話を聞いたり、お客さんに話しかけたり?

森口:そうそう。街での繋がりづくりというか、チェーン店とは違って、個人店だったら隣のお客さんと話してもルールを守れば怒られないし、そういう飲み方を知ってほしい。行けば誰かがいるし、1人だけど独りじゃない。知らない人とでも仲良くなろうと思えば仲良くなれる。飲み屋さんがそういう場所で、そういうことが出来るってことを知らないと思うんですよね。

話しかけるのが難しい人もいますよね。

森口:飲み屋さんっていうと、酔っ払いのおじさんがいるとか絡まれるとかそうイメージの方が強いんじゃないかな。お店の人は来てくれれば嬉しいと思うし、1人で行っても交流できる、繋がる気があれば繋がれるということを知ってほしい。
阿佐ヶ谷に住んでいるのに寂し思いをしてる人がいたら、飲み屋に来ればいいじゃん!って思ってます。

飲めないけど行っていいのかな?と躊躇される方もいますよね。

森口:飲めなくても全然いいし、ありなんですけど、そういうのも飲み屋さん祭りだったら、とりあえず行ってみてお店の人に「飲めないんですけど大丈夫ですか?」と聞ければまた行けるようになるし、そういう使い方をしてくれたらすごく嬉しい。祭りの開催中は、いろんなお店に行って話してみて、そこで自分に合う店を探してほしいかな。

今後、飲み屋さんまつりをどう発展させていこうなどの展望はありますか?

森口:飲み屋さんまつり自体を発展させるのは目的ではなく手段で、本来の目的は街の人に飲み屋さんを知ってもらうことで、「飲み屋さんまつり」は初心者コース。入口の企画なんです。コラボとかも、よければ考えたいけど、今のところ他の町と組むようなことは考えてない。それだったら食の企画とかやった方がいいかな。飲むって限られるけど、ご飯ってみんな食べられるから。飲み屋さんから「正月に全国各地のお雑煮をお店で作って紹介したら面白いんじゃないか」っていう提案もあって、そういうのもありかなって。年末年始の営業時間と、ここの店ではこの地域のお雑煮食べられます!みたいな。帰省せずこちらで過ごす人もいるし、お雑煮だったら楽しめるかなって思います。

約束のない待ち合わせ。

2023年5月の飲み屋さんまつりは新社会人を含めて初参加の人も多そうですね。

森口:春は新しい人も多いので、飲み屋に来れば楽しいよ!ていうのを広めたい。理想は、入って座って1杯飲んで、お店の人と話す。できたら「次のおすすめはどこですか?」って聞いて次のお店に行ってほしい。パンフレットもありますけど、それを見て選ぶより、飲みに行った先で人に聞いてほしいですね。飲み屋さんを知ってもらうきっかけの企画なので、有効に使ってほしいです。

取材・撮影・編集・協力 YukI・手塚佳代子・柴田真光

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※本記事に掲載している情報は2023年04月12日公開時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。