杉並のまち歩きシリーズの登場は今回で3回目となる、ストレイテナーのホリエアツシさん。今回はホリエさんが、友人である千葉雄大さんに、中央線沿線の杉並区4駅の魅力をたっぷり紹介します。2人の気の置けないおしゃべりとともに4回シリーズでお楽しみください。

ホリエアツシさん（左）
ロックバンド ストレイテナーのボーカル・ギター・キーボード。ミニアルバム『Crank Up』が絶賛発売中。ソロプロジェクトentや、作詞作曲家としても活動。クリエイター、ミュージシャンを中心に多大な支持を受けている。

千葉雄大さん（右）
2010年テレビ朝日系特撮『天装戦隊ゴセイジャー』の主役でデビュー。俳優業を中心にタレント、ファッションモデルとしても活躍中。ホリエさんとは10年来の交流があり、2015年にはストレイテナーの『DAY TO DAY』のMVにも出演。2021年4月から日本テレビ系で「MUSIC BLOOD」にMCとして出演中。

南と北で、異なる表情を見せる街。

2人で歩く駅前はちょっとドラマ気分

ホリエ　荻窪は、杉並区内の中央線4駅の中では一番大きい駅なんだよね。

千葉　すごく賑やかだね。大学時代に来たことがある気がする。

ホリエ　JRだけじゃなく地下鉄も通ってて、青梅街道と環八通りっていう幹線道路もあって、杉並区内の交通の拠点でもある。

千葉　やっぱり荻窪だったかも。大学時代のゼミの教授が台湾料理屋さんに連れて来てくれた。

ホリエ　へー、大学の教授が食事に連れて行ってくれるなんてすごいじゃん。恩師的な？

千葉　そう。僕が学業と仕事の両立で迷っていたときに、背中を押してくれた先生。僕の両親にも「彼は自分の道をみつけたから、大学を辞めてその道を進むべきだ」って言ってくれたんだよね。

ホリエ　めちゃくちゃいい話！

千葉　その先生に連れて来てもらった時以来かも、荻窪。

ホリエ　今日は、二人で駅前の昭和レトロなアーケード商店街を歩いたけど、どうだった？

千葉　浮かれた写真を撮ったりして楽しかったよね。

ホリエ　オープンセットみたいな通りを雄大と歩いたら、ちょっと俳優になった気分だったよ。

千葉　映画とか撮りたいね。「荻窪ブラザーズ」（笑）

ホリエ　「阿佐ヶ谷姉妹」感が強め（笑）。

千葉　あちらはピンクだけど、うちらは今日、白でリンクコーデだよね。

ホリエ　偶然ね。でもその白のニットに珈琲をこぼして大ごとだったけど。

千葉　美味しかったね、あの珈琲。

ホリエ　前に雄大の家に行ったとき、飲んだ後に珈琲を淹れてくれたよね。

千葉　誰かが淹れてくれる珈琲の香りっていいよね。いつもは自分で自分に淹れてるけど（笑）。

ホリエ　コロナで自宅時間が増えて、家で本格的に珈琲を淹れる人が増えてるみたい。環八通り沿いにあるのが意外だったけど、基本は珈琲豆の焙煎がメインのお店らしいよ。

千葉　荻窪って線路の南と北で、街の雰囲気が違うよね。

ホリエ　高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪の4駅の中で、荻窪だけが唯一、高架じゃなくて、中央線が地上を走ってるんだよね。

千葉　なるほど！ だから南北で別々の顔があるのかな。

ホリエ　南側は落ち着いた住宅街って感じで、文化人の別荘や邸宅の跡地がきれいな公園になってたりして。北側は大小いろんなお店があって、カラフルなイメージかな。

千葉　さっき歩いた商店街も面白そうなお店がいろいろあったね。

ホリエ　古い喫茶店や中華屋さんもあるし、外観は古いまま中をリノベーションして、新しい立ち飲み屋さんになってたり。

千葉　いいね。お洒落。

ホリエ　何でもまるっと新しくしてしまったんじゃ、その街の持つ個性まで失われていくもんね。

千葉　温故知新って感じ。

ホリエ　おお！四字熟語！

千葉　「故きを温ねて新しきを知る」だよね。

ホリエ　なるほど。荻窪にピッタリな言葉かも。便利になるのは良いけど、古いものの良さは残っていってほしいな。

美味しい珈琲と焼き菓子を創る白いアトリエ

2018年に代々木上原から荻窪に移転。飲食店への卸が専門で、全国の顧客のために一粒一粒管理した豆を毎日丁寧に焙煎し送り出す。午後からは店頭で丁寧にドリップしたテイクアウト珈琲も販売。オーナー作の焼き菓子も絶品。小さなお店はまさにアトリエ。

若き三代目が受け継ぐ祖父のやさしい味

毎日昼前には売り切れ必至の人気店。日本酒や酒粕は使わず、昔ながらの米麴で前日に仕込み、二次発酵させた生地で、毎朝400〜500個を蒸し上げる。口当たりはもっちり、ふわっと酒の香り。蒸し直しても焼いてもOK、天ぷらもおすすめです。冷凍保存も可能。

広島出身オーナーの郷土愛が鉄板より熱い！

広島県呉市にある倉橋島出身のオーナーが「東京にも本場広島のお好み焼きを！」と始めたお店の2号店。麺・ネギ・ソース・もやしなど、仕入れはできる限り広島から直送。旬の牡蠣も産直ならではの新鮮さで安い旨い！広島県人懐かしの花ソーセージも目の前でジュ～。

石臼挽き極上蕎麦とバリアフリーが魅力の老舗

創業は1924（大正13）年、四代続くお蕎麦屋さん。「打ちたて」、「茹でたて」はもちろん、毎日その日の分だけ石臼で挽く「挽きたて」と、「三たて」にこだわる。広い店内は車いすも楽々。オストメイト対応のユニバーサルトイレも完備。休憩なしの通し営業で昼飲みにも人気。

誰が訪れてもきっと大切な一冊と出会える

古民家を改装し2016年にオープンした店舗は、1階が本屋とカフェ、２階がギャラリー。「まったく新しい、けれど懐かしい」というコンセプト通り、お洒落なのに子どものころ近所にあった本屋さんのよう。ジャンルの区切りやおすすめPOPは一切なく、好奇心のままに本と出会える。

変わらぬ昭和の佇まいを守るアーケード商店街

南北にいくつもの商店街がある荻窪。その中でも昭和レトロな雰囲気を残す商店街といえばここ。北口から徒歩約1分、緑色のアーケードが続く30ｍほどのこじんまりとした通りには、中華屋、喫茶店、ラーメン店などの老舗や名店が並ぶ。初めて来てもなぜか懐かしい。

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