杉並区内のJR中央線沿線(高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪)エリアを紹介する「中央線あるあるプロジェクト」。シリーズ最後にご紹介する街は荻窪です。ナビゲーターは杉並区に住んで10年、ゴミ清掃員として街を見つめて7年のマシンガンズ・滝沢秀一さん。荻窪の街に抱くイメージは?「駅前にはなんでもあって、街の奥には静かな暮らしがある」。果たして今回の荻窪まち歩きで、どんな出会いがあるでしょうか。
マシンガンズ 滝沢 秀一さん
1976年生まれ。1998年お笑いコンビ・マシンガンズ結成。2013年より働き始めたゴミ清掃員としての日常がSNSで話題になり、2018年『このゴミは収集できません』(白夜書房)、2019年5月『ゴミ清掃員の日常』(講談社)、同年8月『ごみ育』(太田出版)を出版。
この街での暮らしを想像しながら歩く
荻窪といえば、後輩芸人が結構長く住んでいるので、住みやすい街なんだろうなあ。今回歩いた4駅の中では唯一の地上駅、しかも地下鉄も乗り入れているターミナル駅だし、駅前は平日も週末も活気がありますよね。
そんな駅の南口「ル クール ピュー」でモーニング。シェフの作る野菜スイーツが有名なお店で、ランチやディナーもおすすめ。表のシェードに「昆布〆、沢煮…」って書いてあるのが気になって聞いてみたら、まだメニューにはないけれど、和食メニューも準備中!進化し続けるお店、素敵だなあ。
まち歩きをするときは「この街に住んだらどんな感じかなあ」と想像しながら歩くのが楽しい。荻窪はかつて別荘地だったという街の歴史を感じますね。きわめつけが「大田黒公園」。びっくりしますよね、立派な門構えといちょう並木。「角川庭園」にも足を延ばしてみようかと思ったけど、環八を越えて西へ。創業大正15年「森田屋米店」で昔の写真を見せてもらい、炊き立ての東京米を試食。東京でこんなうまい米がとれるなんて!農家さんと共同開発したワンちゃん専用のお米でも注目されているそう。長く続くお店は工夫と努力がすごい!
激戦区でしのぎを削る荻窪クオリティ
ランチは南口の人気ビストロ「orq.」へ。ビルの2階にこんな空間が!と驚く広さとアンティーク家具。ゆったりソファの半個室空間で、名物のランチプレートをいただきました。
「orq.」の近くのパン屋さん「Honey」には、自家製サンドイッチがずらり!最初は焼き菓子の店だったけど、たまたま作ったあんぱんが大ヒットしてパン屋さんになったと聞いて、思わずあんぱんとサンドイッチをゲット!
北口の隠れ家っぽい雑貨屋さん「makana」に入ってみた。区内の作家さんの作品が並ぶ棚があり、焼き物の人形に創作意欲を刺激されました。最近、流木を大量に拾ったので、流木アートを作ったら置いてもらえるかな。
ターミナル駅として賑わう荻窪。人気店には人気の理由があるし、ふらりと入った店にも思いがけない出会いがあるなあ。
夜は夜で魅力的な店がたくさんある中、コスパが良いと評判の「焼鳥どん」へ!全串1本80円。子ども歓迎&全席禁煙、なんというホスピタリティ。
今回の4駅、歩く前はなんとなく似てる?と思っていたけど、歩いてみたら全然違った!その違いはぜひ自分の足で歩いて感じてください。共通していたのは、どの店もそれぞれに物語があるってこと。次に訪ねたら続きを聞いてみたいなあ。
荻窪のイベント情報
大田黒公園 紅葉ライトアップ
色付く樹々を包むやわらかな光と影の演出
箱根植木株式会社 代表取締役 東京商工会議所 杉並支部
会長 和田新也さん
音楽評論家・大田黒元雄氏のお屋敷だった「大田黒公園」は、素晴らしい門構えをくぐると、樹齢100年を超えるイチョウ並木が続き、ケヤキ、アカマツ、シイノキなどの巨木に囲まれた特別な雰囲気のある庭園です。2003年から実施している「紅葉ライトアップ」が年々話題になり、昨年も期間中の昼夜合わせ約5万7000人の方にお越しいただきました。毎年楽しみにしてくださっている方も多く、照明デザイナーとともに少しずつ趣向を変え、工夫を凝らしております。
例年最も重視しているのは皆様のお足元の安全を確保しながら光と影の演出をお楽しみいただくための「光量バランス」です。明る過ぎず、暗過ぎぬよう、ただキラキラと照らすのではなく日本庭園ならではの奥行きや陰陽を表現しています。昼間の紅葉も楽しんでいただくために配線は極力目立たぬように、紅葉の進み具合や台風予報などにも気をもみながら、細部にわたり設計しています。
さらに今年は、イチョウ並木の参道に竹に細工を施したしつらいもご用意し、お帰りの際にもお楽しみいただけるような演出をご用意しています。
都内の紅葉名所としてご好評をいただいている当園は、実は新緑の季節も素晴らしいことを皆様ご存じでしょうか。紅葉ライトアップをきっかけに大田黒公園を皆様の身近な庭として、四季折々に親しんでいただければと思います。
- 大田黒公園 紅葉ライトアップ
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日程 2019年11月22日(金)〜12月1日(日) 時間 平日 日没(17:00頃)~20:00(最終入園19:45)
土日 日没(17:00頃)~21:00(最終入園20:30)
※写真撮影の三脚使用禁止料金 入園料無料 問い合わせ 大田黒公園管理事務所 03-3398-5814
人にも街にも優しいお店
北口から徒歩3分のビルの2階にあるギャラリーみたいな雑貨屋さん。オリジナル商品のかごやアクセサリー、リースの素材は、コーティングした紙でできているんだって。なるほど軽い!しかもすべて手作りの1点モノ。人にも地球環境にもやさしいおしゃれな石鹸も手作り。区内作家さんの作品を委託販売する棚もあって、ポストカードやユニークな作品が並んでる。お店のコンセプトに合えばプロアマ問わず置いてくれるそう。
- ① 雑貨屋makana
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住所 杉並区天沼2-3-9 伊藤ビル2F 電話 03-6279-9579 営業時間 11:00~16:00 定休日 土曜・日曜
子どもから大人までみんな満足
仲良し兄弟が営む焼鳥店。いつも開店早々に満席になるこちら、待ってでも食べたい理由が分かりました。看板メニューの「鶏煮込み」(380円)、ピリ辛でふわふわの「自家製つくね」や「ももねぎポン酢」(共に一串80円)も僕好み。「お客さんを驚かせたい気持ちから始めた」という、料理やホッピーのナカ(焼酎)の多さにもサービス精神があらわれている。一見サラリーマン向けのお店だけれど、お子様のドリンクは最初の一杯は無料、全席禁煙など優しい配慮が満載です。
- ② 焼鳥どん
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住所 杉並区荻窪5-16-7 電話 03-3392-9845 営業時間 月~金17:00~23:30(土・日・祝~23:00) 定休日 無休
忙しい現代人を「食」で応援
野菜を使ったケーキなどと洋風お惣菜のショーケースが隣り合う、珍しい形態の洋菓子店。フランスでの修行、都内有名店での料理長という経歴を持つオーナーシェフが手掛けるデザートや料理は「普段着の贅沢」というコンセプト通り、お手頃価格で本格的。そしてこちらのお店、実はモーニングも人気。「モーニングセット(写真右)」はドリンク、3種類のパンにサラダが付いて380円!おしゃれな朝食から一日を始めたら、いい日になりそうな予感がする!
- ③ ル クール ピュー(Le Coeur Pur)
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住所 杉並区荻窪5-18-9 伊藤ビル1F 電話 03-5335-5351 営業時間 月~土7:30~21:00、日・祝8:00~20:00 定休日 無休
手作り焼き菓子とボリュームサンド
南口仲通り商店街からちょっと入ったところにあるパン屋さん。女性オーナーが独学で始め、自分が納得できる商品を作っている。小さなお店だけど品揃えがすごい!すべてのパンとお菓子が北海道産小麦100%使用、あんぱんのあんも北海道産小豆から作る自家製。子育てママにも人気と聞いて納得!サンドイッチは「食事として満足できるボリュームを」というオーナーの心意気がぎっしり詰まってる!
- ④ Honey
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住所 杉並区荻窪5-29-8 電話 03-5397-8611 営業時間 9:00~19:00 定休日 不定休
おしゃれ&おいしさ満載のプレートランチ
大きなプレートにカラフルな9品がズラリ!しかもご飯、サラダ、ココットの3品は選べるという野菜たっぷり「ランチプレート」(1,280円)が、なんと17時まで食べられる。「選べるドリンク」はアルコールを選んでも追加料金なしだし、「選べるご飯」は違うものをおかわりしてもOK、良心的!アンティーク家具がすてきな店内は、子ども連れにも人気の小上がりや、ソファでゆったりくつろげる半個室など居心地満点。夜のビストロタイムも来てみたいなあ。
- ⑤ orq.(オーク)
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住所 杉並区荻窪5-29-10 2F 電話 03-6383-6039 営業時間 11:30〜23:00 定休日 不定休
都内の紅葉名所としても注目!
ここは明治生まれの音楽評論家・大田黒元雄氏の屋敷跡地なんだそう。こんな広いお屋敷があったなんて荻窪ってすごいな。杉並区が日本庭園として整備し、区立公園として無料公開している。樹齢100年を越えるイチョウ並木や、数寄屋造りの茶室、池には錦鯉、こんな贅沢な庭に無料で入れちゃっていいの?すみずみまで手入れが行き届いていて、眺めているだけで気持ちがいい。巨木に囲まれ癒される~。
- ⑥ 大田黒公園
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住所 杉並区荻窪3-33-12 電話 03-3398-5814 営業時間 9:00~17:00(入園は16:30まで)
東京産のお米「江戸っ娘」を販売
大正15年創業の老舗の米店。「お米の販売を通じて生産者の方を応援したい」と、店主が厳選した全国のお米が店頭に並ぶ。東京の八王子や青梅産のお米、犬用のお米「ケンヒカリ」も、珍しいだけではなく生産者の熱意に心を打たれた商品だ。さらに「お客様にはおいしく食べて欲しい」と、お米を30キロ購入した方には隣接する低温倉庫で保管、必要に応じて精米してくれる。手厚いサービスはお米専門店ならではだね!
- ⑦ 森田屋米店
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住所 杉並区南荻窪1-43-17 電話 03-3333-9512 営業時間 9:00~20:00 定休日 日曜