昔と今が隣り合う、懐かしくて新しい街、阿佐ヶ谷

杉並区内のJR中央線沿線(高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪)エリアを紹介する「中央線あるあるプロジェクト」。今シーズンのナビゲーターは、お笑いコンビ
マシンガンズの滝沢秀一さんです。結婚を機に杉並区民になり10年、7年前からゴミ清掃の仕事も続ける滝沢さんは、日常生活の中で見逃されがちな街の表情や、小さな幸せを見つける達人。シリーズ1回目に歩いた阿佐ヶ谷は、デビュー前の思い出の街でした。

昔と今が隣り合う、懐かしくて新しい街。

マシンガンズ 滝沢 秀一さん
1976年生まれ。1998年お笑いコンビ・マシンガンズ結成。2013年より働き始めたゴミ清掃員としての日常がSNSで話題になり、2018年『このゴミは収集できません』(白夜書房)、2019年『ゴミ清掃員の日常』(講談社)、同年8月6日最新刊『ゴミ育』(太田出版)を出版。

パールセンターからすずらん通りは夢に続く道

今回、阿佐ヶ谷でどこに行こうか考えた時、真っ先に思い浮かんだのが、「阿佐ヶ谷アートスペースプロット」。南口のパールセンターを抜けたところから始まる、すずらん通り商店街の真ん中にある芝居小屋です。ここは僕が芸人として初舞台を踏んだ場所。まだコンビを結成する前、僕が弟子入りした芸人さんが、この小屋で定期的にお笑いライブを主催していたんです。この空間、この空気、初めてやったネタは覚えていないけど、緊張感は今でも覚えています。ここは役者や芸人を目指す人たちの夢と希望が詰まった場所です。

ところで、阿佐ヶ谷って整体院の激戦区ですね(笑)。清掃員の仕事は肉体労働なので整体に行きたかったんです。すずらん通りの「あさがや整体院」を訪ねてみました。「上半身がすごく硬い」と院長に言われました。ちょっとほぐしてもらうだけですごく楽になった。子どものおもちゃも用意されていて子育てママにも人気だそう。妻も連れてきてあげたいなあ。

歩けば歩くほど大人が楽しめる街

駅の反対側には、今回、絶対来たかったラーメン屋「航海屋」があります。結婚前に妻と2人でよく通いました。普段は普通のラーメン、ちょっといいことがあった日はチャーシューメン。あ~懐かしいな、この味!おかみさんとも初めてこんなにお話しできて、うれしかったです。

腹ごなし散歩の途中に、保育園のママ友から聞いたジェラート屋さん「シンチェリータ」へ。子どもたちにはまだ教えたくないほどのおいしさでした(笑)。

阿佐ヶ谷と高円寺の間にある「馬橋公園」まで足を延ばしてみました。水遊びする子ども、犬の散歩、グラウンドにはサッカー少年、池のほとりでのんびりする人、思い思いに過ごせるいい公園ですね。

夕暮れに駅の方に戻り、パパ友おすすめの居酒屋「つきのや」へ。壁に貼られたメニューの多さに圧倒される!しかもうまい!安い!考えてみたら一人で居酒屋は久しぶり。ゴミ収集の仕事がある日は5時起き、アルコールチェックありなので、前日はお酒を飲まないようにしているんです。久々ついでに、昔、芸人仲間とよく通ったホルモン焼き「友ちゃん」へ。とろけるホルモンに酔いしれていたら、ご主人が色紙を持ってやってきました。この店にサインを飾ってもらえる日が来るとは、いや〜、感慨深いですね!

あらためて歩いてみた阿佐ヶ谷は、懐かしい場所あり、お洒落な店あり、住みやすいし、大人が楽しめる街。もっと歩いてみたいと思いました。これから他の3駅を散策するのも楽しみです!

阿佐ヶ谷のイベント情報

第66回 阿佐谷七夕まつり

第66回 阿佐谷七夕まつり

大アーケードを彩る手作りの“ハリボテ”は見応え満点!

阿佐谷商店街振興組合 理事長 河村正明さん

阿佐谷商店街振興組合 理事長 河村正明さん

「阿佐谷七夕まつり」は昭和29年に、「阿佐谷パールセンター」の夏枯れ対策として「月遅れ七夕」を開催したことが始まりです。商店街の人たちがそれぞれ自慢の商品でお客様をお迎えするスタイルは、66回目となる今も変わりません。それに加え最近では店頭に模擬店を設え、食べ歩きを楽しんでいただく店も増えました。アーケードを飾るハリボテは、毎年、お店の人たちが手作りしています。七夕の2日前の夜には商店街総出で約160本の笹を立て、吹き流し、くす玉も飾ります。創業50年を越える老舗も、新しいお店の人も、チェーンのテナントさんも、七夕を通して自然に交流が生まれていますね。設営から撤収まですべて地元の人の手作りだからこそ、街の活気につながっていると思います。近年は阿佐ヶ谷全体の商店会が連携し、賑わいも年々増しています。昨年の来場者数は5日間で約85万人でした。

3年前には神戸の商店街とご縁をいただき、「阿佐谷七夕まつり」のハリボテを大小20基以上お譲りし、あちらの商店街でも飾っていただきました。今年は神戸の商店街の人たちが制作したハリボテが阿佐ヶ谷にやってきます。元気の交換ですね。

阿佐ヶ谷駅周辺の8つの商店会を巡るスタンプラリーも開催します。杉並区公式アニメキャラクター「なみすけ」の缶バッジがもらえるので、ぜひ挑戦してください。他にもサンバや落語などのイベント、子どもたちに大人気のスーパーボールすくい、お目当てのお店の食べ歩きもおすすめです。ぜひ遊びに来てください。

第66回 阿佐谷七夕まつり
開催期間 2019年8月3日(土)〜7日(水)
開催場所 JR阿佐ヶ谷駅周辺8商店会
主催 阿佐谷七夕まつり連合会
後援 杉並区、東京商工会議所杉並支部
問い合わせ 阿佐谷商店街振興組合(阿佐谷パールセンター)
TEL.03-3312-6181

阿佐ヶ谷まち歩きMAP

旬素材を絶品ジェラートに

松山通り商店街にあるおしゃれなジェラート店。ガラス張りでオープンな雰囲気だから入りやすい。ベビーカーを押したお母さん、カップル、男性一人など、いろいろなお客さんが来ていました。旬の素材を使ったこだわりのメニューは常時16~18種類。選ぶところから楽しい。注文した「ルバーブ、アメリカンチェリー、メロン(580円)」の3種盛り(トリオ)はクセになりそうなおいしさ。芸人仲間にも教えたくない!

ジェラテリア シンチェリータ

ジェラテリア シンチェリータ

① ジェラテリア シンチェリータ
住所 杉並区阿佐谷北1-43-7
電話 03-5364-9430
営業時間 11:00~21:00
定休日 無休

老若男女の憩いの場

もともとは気象研究所があった場所。広大な敷地には、多目的広場やちびっこ広場、四季ごとに装いを変える樹木が楽しめる四季の広場など、特色ある6つの広場があります。同時に防災空地として整備されています。人々を癒すほか、防災対策もバッチリの頼もしい公園だ。駅周辺のようなにぎやかさと豊かな自然を楽しめるなんて、住みやすい街だよね。

馬橋公園

馬橋公園

② 馬橋公園
住所 杉並区高円寺北4-35-5
電話 03-3336-1105

胃袋を満たし続けて31年

魚介ベース(玉子麺)と鶏ガラベース(平ちぢれ麺)の2種類のスープと麺が味わえるラーメン店。ジューシーなチャーシューの煮込み時間は企業秘密だとか。さっぱりしているから飲んだあとにもピッタリの「ラーメン」は450円って、こんなに安かった?気さくな女性店主に伺ったら、営業時間を短くした代わりに値段を下げたのだそう。お客さん思いだから、31年間ずっと愛され続けているんだね。

ラーメン 航海屋

ラーメン 航海屋

③ ラーメン 航海屋
住所 杉並区阿佐谷北2-15-2
電話 03-3310-1261
営業時間 11:00~19:30
定休日 月曜・第二日曜

うまいのハードルを超える

あー、これこれ!昔よく食べていた頃が蘇ってくる。ホルモンの本場・大阪鶴橋の味が阿佐ヶ谷で食べられるんですよ。ここの「ホルモン(580円)」は本当にうまい。うまいと言うとハードルが上がるかもしれないけど、そのハードルを超えますよ。お皿にこんもり乗った、秘伝のタレで食べる突き出しのキャベツもいい。タレもドレッシングも化学調味料を一切使わず手づくりというのも嬉しいね。

炭火焼ホルモン焼肉 友ちゃん 阿佐ヶ谷本店

炭火焼ホルモン焼肉 友ちゃん 阿佐ヶ谷本店

④ 炭火焼ホルモン焼肉 友ちゃん 阿佐ヶ谷本店
住所 杉並区阿佐谷南3-37-5
電話 03-5397-2333
営業時間 17:00~0:00
定休日 無休

旬の料理をお手頃価格で

毎日豊洲から仕入れる「刺身の盛り合わせ(3点1000円)」を始め、旬の料理をお手頃価格で味わえる居酒屋。「元気の出るような料理でお客さんにパワーを届けたい」と、大将が腕をふるいます。「なんでもないメニューだけど手をかけている」との言葉どおり、大粒の「自家製塩らっきょう(380円)」は繊細な味わい。「茄子みょうが(380円)」もさっぱりして、夏って感じがするなぁ!

鮮魚居酒屋 つきのや

鮮魚居酒屋 つきのや

⑤ 鮮魚居酒屋 つきのや
住所 杉並区阿佐谷南1-14-12 パティオエルスール1F
電話 03-5378-8007
営業時間 17:00~0:00
定休日 月曜日

夢と希望が詰まった小劇場

芝居小屋として誕生したこちら。今ではお笑いライブや各種イベントも開催。最大60席の小さな空間には、味わい深い独特の雰囲気があります。「一度使うと、自分の稽古場のような感覚になる人が多い。大劇場で数回のステージをやるより、小劇場で数をこなす方が力がつくと思うんだよね」とオーナー。事実、この劇場を経て活躍している芸人さんは多数。説得力のある言葉です。

阿佐ヶ谷 アートスペースプロット

⑥ 阿佐ヶ谷 アートスペースプロット
住所 杉並区阿佐谷南1-9-10
電話 03-3315-5400
営業時間 10:00~22:00
定休日 無休

子連れのお母さんにも人気

開業11年目を迎える実力派整体院。院内は広々と開放的なので、ベビーカーでも気軽に行けるし、子どもをそばで遊ばせながらの施術も可能。「子育て応援コース、マタニティコース(各5400円)」もあるなんていいね。凝っている部分に直接触るのではなく、その原因となっている筋肉を緩めて調整していくなんて、体の芯から改善しそう!分かりやすい解説もありがたい。通ってみようかな。

大川カイロプラクティックセンター あさがや整体院

大川カイロプラクティックセンター あさがや整体院

⑦ 大川カイロプラクティックセンター あさがや整体院
住所 杉並区阿佐谷南1-9-6第7志村ビル3F
電話 03-6795-5700
営業時間 月~金10:00~21:00(土・日・祝日9:00~19:00)
定休日 無休

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※本記事に掲載している情報は2019年08月05日公開時点のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。