今年も秋がやってきました。まち歩きが気持ち良い季節です。杉並区内のJR中央線沿線(高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪)エリアを紹介するシリーズに再び、ロックバンド「ストレイテナー」のボーカル・ホリエアツシさんの登場です。シーズン2は阿佐ケ谷駅からスタート。感染症対策にきちんと配慮して、出掛けてみませんか。
ホリエアツシさん
1998年結成の4人組ロックバンド、ストレイテナーのボーカル・ギター・ピアノ。10月14日配信シングル「叫ぶ星」をリリース。今後は11月11日配信シングル「さよならだけがおしえてくれた」、12月2日ニューアルバム「Applause」と、リリースが続く。
「好き」を楽しく追求する人がいる
南側から入門し北側を深掘り中
杉並に住むようになって20年近くになります。程よくのんびりしていて住みやすい街ですよね。なかでも僕にとって阿佐ヶ谷は、杉並の良さを象徴するのんびりタウン。前回のシリーズで歩いてから、阿佐ヶ谷がさらに好きになりました。4駅の中では最近一番歩いているかもしれません。今回は、気になりながらまだ行ったことのない場所を訪ねてみました。
最初の頃は南口中心だったんですけど、北口方面も歩けば歩くほど発見がありますよね。「茶とあん」はたまたま通り掛かったときに、あんこ好きとしてはすごく気になっていたカフェ。日本茶は好きだけど家でちゃんといれて飲むことはなかったので「お茶が甘い」という感覚を初めて実感しました。女性オーナーは岡山出身で、子どもの自立を機に自分の好きなことをしようと、上京してこのお店を開いたそうです。岡山からピンポイントで、なぜ阿佐ヶ谷(笑)!なんて話をしながら、本当にのんびり過ごせる空間です。
地元出身じゃないのに街に馴染んでいるお店が、阿佐ヶ谷には結構ありますよね。「手打ち 達吉」もそう。そば屋飲みができるお店をネットで探していて見つけて、今回初めてお邪魔しました。ご夫婦二人で切り盛りする店は、おそばも一品も日本酒もリピートしたい美味しさ。いろんなところで修行して、一度は体を壊し飲食業から離れていたというご主人の「そば打ちはものづくり」という言葉も印象的でした。「そば粉は日によって水の量も違うので料理を作るというより陶芸に近い。だから飽きることがない」って。
生業だけれど凌ぎではない
僕も今年は家で過ごす時間が増えたので、料理することも増えて、最近ちょっと器にハマってます。SNSで見掛けた作家さんの器が、阿佐ヶ谷のお店にあると知って行ってみました。南口のパールセンターにある「土の記憶」。オーナーの方から「日々の暮らしの中で気軽に使える器」というコンセプトを聞いて納得しました。どれも欲しくなる、使いたくなる器ばかり。お目当ての叶谷真一郎さんの作品にも会えました。
パールセンターから青梅街道まで足を延ばして「宮野乳業」へ。車で通るたび行列ができていて、すごく気になっていたソフトクリームをやっと食べることができました。ああ、懐かしい味がする!子どものころから全スイーツの中で一番好きなのはソフトクリームだったことを思い出しました。老舗牛乳屋の三代目が原料も製法も試行錯誤して、幅広い世代に喜んでもらえるようにと、究めた味!
阿佐ヶ谷は、自分の選んだ道を、凌ぎとしてではなく楽しんで追求しながら日々を営む、そんな人と出会える街ですね。
2020特別鼎談
「七夕まつり」のない阿佐ヶ谷の夏はさびしかった
左から河村正明さん、ホリエアツシさん、丸山俊一さん
昭和29年から続く「阿佐谷七夕まつり」が、今年は新型コロナウイルスの影響で初めて開催中止に。「毎年来ている」というホリエさんと、阿佐谷商店街振興組合の理事長・河村正明さん、前理事長・丸山俊一さんが、七夕まつりと阿佐ヶ谷への思いを語り合いました。(以下、敬称略)
地域に根ざし文化となった七夕
ホリエ:僕は5,6年前の「七夕まつり」のときに、初めて阿佐ヶ谷に来たんです。
河村:ありがとうございます。
ホリエ:それ以来、阿佐ヶ谷によく来るようになって、七夕は毎年来てますね。ハリボテの写真も結構撮ってますよ。(スマホのカメラロールを見せながら)
河村:この写真は去年のうちのです!
ホリエ:ホントですか、撮ってましたよ僕!(笑)。
河村:こっちの写真は丸山さんのですね。
丸山:僕は第一回「七夕まつり」のときに小学校1年生でした。
ホリエ:ハリボテっていつ頃から作るようになったんですか?
丸山:第一回はマネキンに和紙を貼ってたから、第九回かな。
ホリエ:それからどんどん競い合うようになったんですね。
丸山:景気のいい時代は100万かけて業者に作ってもらったり。
河村:商売も忙しくてハリボテを作る時間もなかったんですよね。
丸山:だんだん先輩のレクチャーを受けてみんな作れるようになるんですよ。
河村:今では地元の小学生や中学生が授業にハリボテ作りを取り入れているほど。
ホリエ:すっかり地域の文化ですね。
来年の七夕に会いましょう!
ホリエ:今年初めて「七夕まつり」が中止になって、阿佐ヶ谷の皆さんは、どうでしたか。
河村:体は楽だったけど(笑)、やっぱりさびしかったですね。
丸山:商店街総出で、一晩で竹を200本立てるんだからね。
河村:普段は顔を合わせる機会が少ない離れた店の人やテナントさんと、同じ場所で商売していることを確認し合える大事な接点だったんだなと思いました。
ホリエ:僕らも音楽フェスが軒並み中止になり、他のバンドやスタッフの方たちと会う機会がなくなったので共感するところはあります。実は僕、七夕(新暦)の翌日生まれなんです。七夕ソングを作ってみようかな。
河村:ぜひ作ってください!
ホリエ:クリスマスとかじゃなく日本の行事で街が盛り上がるっていいですよね。
丸山:東京生まれだから田舎はないけど、夏の思い出といえば七夕がある、ふるさとなんです。
河村:とにかく来年に願うことは、開催可能な状況が整うことだけ。
ホリエ:裏話もお聞きできたので、来年の七夕まつりを見たら違うでしょうね。
河村:来年の七夕でお会いしましょう!
阿佐ヶ谷&ホリエさんからプレゼントいただきました!
①Chatoan 茶とあん Chatoan 茶とあん
おいしい日本茶をゆったり味わえるカフェから、三年熟成番茶(静岡産)、煎茶(静岡産)、グリーンレーズンをセットで。
②ホリエアツシさんサイン入り 阿佐ヶ谷オリジナルポストカード
今回の阿佐ヶ谷まち歩き取材で掲載されなかった写真を特別にポストカードにしました。3枚セットで。(画像はイメージです)
- 応募方法
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ハガキ ①希望商品番号②郵便番号・住所③氏名④年齢⑤性別⑥電話番号⑦上の地図で紹介した6つのお店の中で行ってみたいお店すべて⑧この紙面の感想を明記し、〒100-8502(住所不要)東京新聞広告二部「阿佐ヶ谷プレゼン」係まで FAX ハガキと同じ必要事項をご記入の上、03-3502-7227 東京新聞広告二部「阿佐ヶ谷プレゼン」係まで インターネット 東京新聞HP内からお申し込み
https://adv.chunichi.co.jp/chuosen-rr-ogikubo/締切 2020年11月6日(金)必着 当選発表 賞品の発送をもってかえさせていただきます。
なお、いただいた個人情報は、賞品の発送にのみ使用いたします。
地域の皆で守った皆が憩う庭
取り壊しが決まっていた昭和初期の住宅に6300を超える保存署名が集まり、区が公園として整備計画中に火事で焼失。ここを愛した宮崎駿氏が公園デザインを提案、ネーミングも宮崎監督からの提案による。「建物を失っても地元の人たちがここを残したかった理由がわかる」とホリエさん。
- ① Aさんの庭
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住所 杉並区阿佐谷北5-45-13 電話 03-5307-0740(都市整備部みどり公園課管理係) 営業時間 7:00~18:00(5~8月は19:00、11~2月は17:00まで) 定休日 無休
本当にのんびりと日本茶を味わえる
2017年7月にオープンした日本茶カフェ。厳選された静岡産のお茶をメインに手作りの甘味が楽しめる。お赤飯や豚汁、うどんなどのランチもあり。「水出し緑茶、初めて飲みました。甘い!出汁みたいに味わい深い!」。
- ② Chatoan 茶とあん
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住所 杉並区阿佐谷北1-21-28 電話 03-6265-5993 営業時間 10:00~19:00 定休日 月曜日(祝日の場合は翌日、不定期で連休あり)
こだわりの酒と肴でそば屋飲みを満喫
毎日石臼で挽く自家製粉のそば粉を使用。鴨ざるは洋食の調理法で仕込む鴨肉の柔らかさが絶品。日本酒も月替わりで楽しめる。「初めて出会う銘柄に心が踊る!飲んで、つまんで、最後にそばでしめる。最高ですね」。
- ③ 手打ち 達吉
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住所 杉並区阿佐谷北2-15-4 電話 03-5327-8741 営業時間 11:30~14:30(Lo14:15)、17:30~22:00(Lo21:30) 定休日 水曜日
懐かしの邦画に会えるミニシアター
昭和の日本映画を中心に上映する座席数48席の映画館。小劇場「ザムザ阿佐谷」、レストラン「山猫軒」も備えた文化複合施設。こだわりが随所に。「この外観も阿佐ヶ谷のシンボルですよね」。
- ④ ラピュタ阿佐ヶ谷
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住所 杉並区阿佐谷北2-12-21 電話 03-3336-5440 営業時間 10:00~ 当日全回分整理番号付入場券発売 定休日 不定休(メンテナンス休館)
まさに!牛乳屋さんのソフトクリーム
創業80年の牛乳屋さんが2019年3月に開業したソフトクリーム専門店。脂肪球を細かくしない“ノンホモ製法”と“パスチャライズ殺菌”にこだわった牛乳本来の風味。「甘過ぎず、さっぱり過ぎず、絶妙な味!」と、たちまち完食のホリエさん。
- ⑤ 宮野乳業
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住所 杉並区阿佐谷南3-10-3 電話 03-3392-3012 営業時間 11:00~18:00 土日祝は18:30まで 定休日 不定休
作家モノの器を日常使いに
パールセンターのほぼ真ん中の2階。ギャラリーのような店内に、日々の暮らしの中で気軽に長く使いたい和食器が並ぶ。「ステイホームで料理する機会が増えたら器好きになった」というホリエさんがSNSで気になっていた作家さんの作品も。
- ⑥ zakka土の記憶
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住所 杉並区阿佐谷南1-34-11 2F 電話 03-3311-6200 営業時間 11:00~18:00 定休日 水・木曜日(ほか臨時休業あり)
※新型コロナウイルスの影響により、営業日や時間などが変更になる場合があります。最新情報については各店舗にお問い合わせください。
※お出掛けの際は、感染症予防のため、咳エチケット・手洗い・アルコール消毒・マスク着用などを心掛けるようお願いいたします。