杉並区内のJR中央線沿線(高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪)エリアは、それぞれのまちが異なる文化を創出し、多くの人々に愛され続けています。今年、結成20周年を迎えるロックバンド「ストレイテナー」のボーカル・ホリエアツシさんも、このエリアをこよなく愛する一人。「中央線を歩く」では、ホリエさんがそれぞれのまちをめぐります。VOL.1は、「西荻窪」。「西荻は深くて、浅い(笑)」と語るホリエさんの言葉の真意とは!?
ホリエアツシさん
1998年結成の4人組ロックバンド、ストレイテナーのボーカル・ギター・ピアノ。ソロプロジェクトentとしても活動中。美味しいご飯とお酒を求めて、まち歩きを続ける。
中央線沿線は、20年来の付き合い
高円寺・阿佐ヶ谷・荻窪・西荻窪は昔から縁が深く、今もよくめぐります。主な目的は、美味しい食事とお酒。このエリアには美味しいものが多いし、新しいお店も個性的だし、自然と足が向いてしまいます。気になるお店に入ると、そこのご主人やお客さんから「あそこのお店行った?」と教えてもらって、次々に訪れるお店が増えています。
振り返れば、大学入学と同時に長崎から上京。バンドを結成し、大学卒業後に本格的にバンド活動をスタートしました。当時から“ミュージシャンといえば中央線沿線”というイメージがあったので、僕も…と思いましたが、そこまで“東京東京”できなくて(笑)。一歩引いて、別の沿線に住んでいました。中央線沿線に住むのは、個性の強すぎるミュージシャンの先輩たちばかりだったので、そこに埋もれてしまうのを避けたんです(笑)。
それでも、友人が住んでいた西荻はなじみのまちです。あの頃はお金もなく、お店で飲む機会もほとんどありませんでしたが、それでも「行きたい」と意を決して予約の電話を入れたのが「たべごと屋 のらぼう」。以来、十数年経った今も変わらず、大好きなお店です。ここで“東京の旬”を知りました。
のらぼうのご主人に教わったのが「坂の上のけやき公園」。住宅街に忽然と現れるその空間は、まるでパラレルワールド。今回、久しぶりに訪れましたが、大きなけやきは地域の方々に愛され、守られていることを実感しました。
一歩踏み込んだ先に「好き」がある
音楽でいえば、高円寺はパンク・阿佐ヶ谷はジャズ・荻窪はクラシック、そして西荻はオールジャンルですね。ストレイテナーは今年で活動20年ですが、西荻もこの20年で少しずつ変化しています。昔ながらの風情を色濃く残しながらも、新しいお店も続々と増え、魅力が融合しています。そのなかでフレンチの「organ」は、以前に予約した際はあいにく満席で、今回、念願叶って初めて訪れました。3日間かけて作られるパテは、それまでのパテのイメージが覆るほどめちゃめちゃうまい!合わせてもらったナチュラルワインもちょうど良い酸味があり、フォークがすすみました。
“住むなら、こういう家に住みたい”と思っていた「ひぐらし古具店」、旅に想いを馳せることのできる旅の本屋「のまど」、あんこ好きかつ餅好きの僕を惹きつける「越後鶴屋」のいちご大福、何気なく訪れたカフェ「ゆきすきのくに」でも素敵な時間を過ごすことができました。西荻の魅力は本当に多様、折角だから骨董通りまで、とつい足を伸ばしたくなりますよね。
僕にとっての西荻は「奥が深く、浅いんですよね」(笑)。西荻のまち全体が身近な存在になっているから「浅い」と感じてるんですけど、このまちをはじめて訪れる人も同じ気持ちになると思います。個性的なお店の扉を開けることに少し躊躇い、壁を感じることもありますが、一歩踏み込めば、お店の人も自分もニコッとなる。西荻のお店の方はそれぞれに自分の好きなことを表現しているからこそ、いつの間にか、それが自分の「好き」になるのだと思います。
だからまた自然と足が西荻に向かう。「串焼きや しゃんしゃん」のスキヤキ巻串をほおばり、今夜も星がキレイだなと思う。まちを歩いていると、ふと歌詞や楽曲のイメージも浮かびます。
(他の3駅も今年の秋に紹介予定)
西荻窪のイベント情報
第7回 西荻おわら風の舞
演舞:越中おわら節同好会 高尾会
今年は西荻おわら地元連が念願の初お披露目!
西荻おわら風の舞 実行委員長 平田耕一さん
皆さん、富山県富山市八尾町で唄い踊り継がれる民謡行事「越中八尾おわら風の盆」をご存知ですか。独特の風情と幻想的な美しさで知られる「おわら」を、東京の杉並でみることができるイベントがあります。それが、今年7回目を迎える「西荻 おわら風の舞」、昨年は8000人もの人にご来場いただきました。中央線の西荻窪駅南口から五日市街道まで続く旧府道(通称:おわら通り)を舞台に、越中おわら節同好会「高尾会」のメンバーが、ご当地に負けない見事な演奏と唄と踊りを披露します。
最初の年は、訪れた人に「まさか西荻でおわらが見られるとは」と、涙ながらに手を握られました。2013年には「西荻おわら地元連」も立ち上げ、地道に練習を重ねてきました。その地元連が、今年ついに高尾会のお墨付きをいただき町流しに参加します。記念すべき年、ぜひ多くの方に見ていただきたいですね。さらに今年は、北口の西荻北中央公園でも踊りが披露され、西荻のまちがひとつになりますよ。
西荻というまちは、初めて来た方にも「懐かしい感じがするのはなぜですかね」と言われたりします。西荻には20以上もの商店街があり、昔ながらの下町のような人情が残っているからでしょうか。真夏の夕暮れ時、おわらの旋律に誘われて、皆さんも西荻窪の駅に降り立ってみませんか。
- 第7回 西荻おわら風の舞
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開催日 2018年7月29日(日) 荒天中止 第1会場 町流し 18:00から 場所 JR西荻窪南口 旧府道(おわら通り) 第2会場 14:45~15:15 場所 西荻北中央公園
西荻窪&ホリエさんからプレゼント!
抽選で合計10名に当たる!
① アイスクリーム工房 ぼぼり
おまかせアイス シングルカップ6個
本当に必要な原料のみ使用し当日販売分だけ手作りする西荻の人気アイス詰め合わせ。
② ホリエアツシさんサイン入り
ストレイテナー「Future Dance TOUR」オリジナルポーチ
〈素材〉綿 〈サイズ〉21×29cm
- 応募方法
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ハガキ 【ハガキ】①希望商品番号②郵便番号・住所③氏名④年齢⑤性別⑥電話番号⑦左の地図で紹介した7つのお店の中で行ってみたいお店すべて⑧この紙面の感想を明記し、
〒100-8502(住所不要)東京新聞広告二部「西荻窪プレゼント」係までFAX ハガキと同じ必要事項をご記入の上、
03-3502-7227
東京新聞広告二部「西荻窪プレゼント」係までインターネット 東京新聞HP内からお申し込み
https://adv.chunichi.co.jp/chuosen-rr/締切 2018年8月28日(火)必着 当選発表 9月上旬。
賞品の発送をもってかえさせていただきます。
なお、いただいた個人情報は、賞品の発送にのみ使用いたします。
NISHIOGIKUBO × ATSUSHI HORIE
西荻窪まち歩きMAP
パラレルワールドの入り口
地域のシンボルであるけやきを守るため、1万人もの署名が集まったそうですが、地域の人に愛されている証拠ですね。僕が最初に訪れたのは夜でした。そのあと昼間に訪れた時に、「ジブリの世界だ」と思いました。ちょっと異世界です。
- ① 坂の上のけやき公園
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住所 杉並区西荻北4-38-6
東京の旬に出逢える
ご主人が毎朝、三鷹の農家さんから買い付けてくる朝採れ野菜は本当にみずみずしい。その日の野菜や旬の果物も入っている「地野菜とお豆腐のサラダ(¥1,200)」の美味しさにきっと驚くと思います。人気店のため、予約を!
- ② たべごと屋 のらぼう
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住所 杉並区西荻北4-3-5 電話 03-3395-7251 営業時間 17:00~0:00 定休日 月曜
居心地よく、笑顔あふれる
営むご夫婦の人柄ですね、居心地がいい。僕のおすすめは、卵黄を絡めて食べる「スキヤキ巻串(¥380)」と、チーズ好きなので「春菊チーズ巻串(¥300)」です。串焼きにはビールです。優しい味わいの水炊き、お酒の種類も豊富です。
- ③ 串焼きや しゃんしゃん
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住所 杉並区西荻北4-4-14 電話 03-3395-5531 営業時間 18:00~翌2:00 定休日 火曜
ここから旅がはじまる
ツアーで全国をまわることもあるので、よく足を運びます。旅をテーマにしながらも、さまざまな本があるので、「あの本を買おう」と思っても、帰るときには全く違う本を買っていることも多いです。今日は、廃線の本が気になりましたね。
- ④ 旅の本屋 のまど
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住所 杉並区西荻北3-12-10 電話 03-5310-2627 営業時間 12:00~22:00(日・祝 〜21:00) 定休日 水曜
伝統を日常へ。心と体へ。
注文したのが、オホーツクビール(¥1,200)。偶然にも、都内にはあまり出回らないビールを楽しむことが出来ました。「カラダとココロを調える」をコンセプトにした薬膳カレーなど、素材にこだわったメニューが味わえます。
- ⑤ Organic Café ゆきすきのくに
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住所 杉並区西荻北3-16-3 電話 03-6913-9370 営業時間 11:30〜19:30 定休日 月曜
西荻の小さなおもちやさん
僕は甘い物好き。特に、あんこ。そしてお餅も。そこに甘酸っぱさの加わった「いちご大福(¥220)」は、いいですね。店先で作る過程を見ることができるのも嬉しい。僕は今、あえてインスタ映えしない写真をアップしていますが、これはインスタ映えしそう。
- ⑥ 越後鶴屋
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住所 杉並区松庵3-38-20 電話 03-3335-0450 営業時間 10:00~18:00 定休日 月曜(祝日の場合は火曜)
「カフェな暮らし」があるお店
古いものだけでなく、新しい小物も揃っているお店です。今後、僕の家を建てるなら、こういうアンティーク家具を取り入れたいですね。1960年代ドイツの時計やスタンドライトがオシャレでした。オシャレ、大事です。
- ⑦ ひぐらし古具店
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住所 杉並区松庵3-37-21 電話 03-5941-3642 営業時間 12:30~19:00 定休日 月曜・火曜・水曜
美味しさ奏でる
料理に合わせてもらうナチュラルワインは、どれも個性的で料理との相性もホントにいい。「パテ・アン・クルート(¥1,200)」、お店のインテリアも最高です。人気店のため予約が必要ですが、カウンター席など予約なしで入れることもあるそうです。
- ⑧ Organ
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住所 杉並区西荻南2-19-12 電話 03-5941-5388 営業時間 17:00~24:00 定休日 月曜・第4火曜